Prince @ Staples Center in LA Ticket Price $45
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今回はプリンスのコンサートである。彼については正直これまで特別ファンというわけではなかった(アルバムは"Purple Rain"と"Around the World in a Day"の二つしか持ってませんでした。"Musicology"はあわてて買ったけど ^^;)のだが、最近のロックンロール殿堂入りのパフォーマンスを含め、今年に入ってからTVで時々みる彼の演奏が、すごくかっこよかったので、是非一度ライブも見てみたいという気になっていたのだ。
サンディエゴからLAまでは渋滞道なので、早めに会場入りし、中で夕食をすますことにする。会場入りしている観客全員に入り口でなんと"Musicology"の紙ジャケCDが配布される。えっ、これでコンサート代の半分は元を取ったようなもんじゃないですか?! なんという大盤振る舞い。けど、私もそうなんだが、コンサートにわざわざ来るくらいの連中はもともとこのCD持ってるんじゃないか?ちょっと疑問の残るサービス。
最近慌ててとったチケットのため、席は最上部近くと条件は良くないが、これはしょうがない。まあいい席は熱心なファンのためと考えよう。ステージはアリーナの中心に十字型に据えられ、周り180度全てが観客席となる構成。明日はここで、LAレイカーズのNBAファイナルが始まるわけで会場設営も大変だなと学生の頃のバイトを思い出してしまった。
会場に対したご飯はないので、ピザとビールを屋外のテラスでとっていたのだが、午後8時の開演時刻ぴったりに場内からファンキーな演奏と歓声が聞こえてきて、慌てて席に戻る。時間通りに本人が出てくるか?と思ったが、まずは前座のようだ。プリンス一家という感じのファンキーでダンサンブルな曲を演奏している。冒頭述べたようにこのジャンルはあまり得意ではないため演奏しているのが誰だか自信がもてなかったのだが(ファンの方、こんな奴がコンサート観に行っててごめんなさい)、帰ってネットでニュースやファンの書き込みを確認したところ、Morris Dayに間違いなかったようである。ちなみにこのとき、確認した情報によると6月3日の初日のOpening ActはSheila E. だったようである。うーん、そっちが観たかった。
Morris Dayの演奏が45分ほど続いたのち、休憩をはさんで、9時15分ごろいよいよ殿下のご登場である。一旦会場の明かりが半分落ちてから、なかなか始まらずじらされる。すると待ちきれない観客席ではなぜか自然発生的にウェーブが始まる。意味わからんぞ。このウェーブが会場を5周ぐらいしたところで、完全に照明が落ち、いよいよスタート。ステージ上部のスクリーンに先日ロックンロール殿堂入りの時のビデオが流れ、Alicia KeysによるPrinceの紹介の説明がそのまま語られる。そして本人の紹介の瞬間と同時にステージにほんもののプリンスが現れ演奏開始。
一曲目はニューシングルである"Musicology"。期待していたとおり、ブラスセクションをフィーチャーしたダンサンブルなバンドスタイルの演奏である。そこから曲間無しで一気に"Let's Go Crazy","I Would Die 4 U", "When Doves Cry"とアルバム"Purple Rain"の大ヒット曲が惜しげもなく続く。マジですかぁー!会場しょっぱなから大盛り上がり。けど、これで私のよく知ってる曲の半分が終わってしまったぞ。いやープリンス自身久々のコンサート・ツアーらしいのですが飛ばしすぎ!
その後、"Musicology"からの新曲に加え、"Glamorous Life"や"I Feel For You"といった他のアーティストへの提供曲やOutkastのヒット曲である"The Way You Move"のカバーがちりばめられる。プリンス自身もオースドックスなスタイルに回帰し、バンド演奏そのものを楽しんでいるという感じで非常に好感が持てる内容。
やがて、照明が暗めになり、ピアノソロのみを残して、他のメンバーは休憩&着替えタイムの様子。ところがこのエレキ・ピアノ奏者、始めのうちは昔のプリンスの偏執的な感じにも似たサイケな演奏スタイルをとっていたのだが、やがてスタンダードなジャズスタイルに移行し、あげくに、なんとルイ・アームストロングの"What a Wonderful World"の旋律を奏ではじめる。まさかプリンスのコンサートでこのメロディを聞くとは?!、観客が驚いたり喜んだりしている中、サックスのソロがそれにかぶさり、やはり"Wonderful World"をそのまま演奏。この長いソロはプリンスの今の音楽に対する流れを象徴しているのだろうか?
と不思議な気分でいたら、その後さらに驚くべきことが!ステージセンターにスポットライトと共に浮かび上がってきたプリンス殿下は、なんと椅子に座ってアコースティック・ギターを抱えているのである。ええっ!私はPrinceのライブこれが初めてなんですが、今までもこんな演奏スタイルとってたんですか?!生ギターを持ったプリンスはそのまま、おとなしめの曲を一曲演奏(ごめんなさいタイトルわからなかったんです。ただ、ここまでは観客の反応は薄かったように思う)した後、なんと”Little Red Corvette”を生ギター一本、たった一人で演奏を始める。これには観客みんなが大合唱。そのご、このUnpluggedタイムは計6曲ほど続き、"Raspberry Beret"や"Cream"といった曲がギター一本で演奏される。アメリカでの公演だけあって、どの曲もフルコーラス観客の大合唱。くっ、自分はメジャーな曲のサビしかついていけない・・・
非常に驚きであったが、同時に素晴らしいライブの一面を観ることが出来た。
その後は本来のスタイルに戻り、プリンスもテレキャスやストラト、シンボルマークをあしらったオリジナルギターなど数種のギターに持ち替えたり、ピストル型のマイク一本を片手に踊ってみたりとパーティは続く。ヒット曲に混ざって意外なカバー曲では、Led Zeppelinの"Whole Lotta Love"を披露。その後、ステージ近くの観客の女の子たちをステージに上げ、みんなで踊りながら盛り上がる。踊り手はみな女性だが、一人だけMusicologyのPVに出てくる子供のような男の子が混じっている。
演奏はSam&Daveの"Soul Man"のカバーからメドレーで"Kiss"に続き、一度終了。
最後はアンコールに答え、何曲かやったのち"Purple Rain"で終了。時間は午後11時45分。今回はきっと気に入るスタイルになるのではと期待していた以上に満足できる演奏にただただおなか一杯です。Princeかなり好きになりました。
# ちなみに今回のツアーの模様の一部が公式ページで公開されているようです。
(なお、このコンサートの後、PrinceはHouse of BluesのSenset Strip店にてアフターギグを行ったようですね。くそー、HOBはそういう使われ方もするのか!チェックしとくんだった・・・)
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