10月にVote for Changeと題されたコンサートツアーが行われることが水曜日に発表されたが、中でも顔ぶれがDave Matthews BandやREM, James Tayerといった面々に加えBruce Springsteenが参加することがこっちでは大きなニュースになっている。
彼は"Born in the USA"などのヒットでアメリカの顔的に扱われ、80年代には大統領選に出馬したら当確とまでいじられるほど、巨大偶像化したこともあるのだが、本人はそうしたスタンスを望まず、社会性メッセージの強い曲は書くものの、自身の行動では常に政党政治などとは一定の距離を置いてきた。今回のツアーの目的はタイトルにもあるように事実上ブッシュを引き摺り下ろすための啓蒙支援コンサートに近いもので、主催は民主党団体に限りなく近いMoveOn。コンサートの開催場所もいわゆる浮動票州"Swing State"と呼ばれるフロリダやアイオワ、ペンシルバニアといった州に限られており、民主党応援コンサートといっても差し支えないもの。
こうしたコンサートツアーに参加するに当たりBruce自身が今日のNew York Timesに長文コメントを寄稿していた。(リンクを見るには購読登録(無料)が必要です。【8/8追記】同内容はBruce本人のHPにも全文記載されています。また日本語訳が読みたい方は日本語公式サイトからNEWSをクリックして見れます。)私自身は長いこと彼の音楽のファンであり、このコメントの内容もほぼ賛同するものなのだが、正直言って彼がここまで直接的な行動をとることには、ちょっと不安を感じてしまう。Bruceという人は正直不器用なイメージが強く、しかし周囲への影響力も強い人なので、本人の意思とは無関係に言動が一人歩きしたり、悪用されたりしかねないからだ。彼にはそうした周囲の流れをコントロールし上手く立ち回る要領の良さみたいなものは感じられないので。ファンとしては、かつて"Born in the USA"という曲が曲解された過去がどうしても思い出されてしまう。(そして当時の事情を知っているものから見れば、あの愛国的解釈はある意味においては彼自身に内在する誇りを曲調に反映させざるを得なかったという点において、必然的な結果でもあったと思うし、そうした事象に対するバランス感覚は、曲の中においてさえあやういというもろさがBruce Springsteenにはある)
しかしながら、ここ最近ブルースのみならず、いろんなミュージシャンの政治への関わりが話題になっている。イラク戦争が始まった当初、テキサス出身の若手カントリーバンドDixie Chicksは「ブッシュと同じ出身であることが恥ずかしい」と発言して地元ファン、保守的なカントリーファンから総スカンをくらい、ひどいCD不買運動や彼女らの曲を放送しないラジオ局の嫌がらせを受けた。(このときもBruce Sprinsteenや自身のWebサイトでアメリカの言論の自由を守る立場から彼女らの勇気ある発言を支持すると自らコメントを寄せた。そしてDixie Chicksも今回のVote for Changeツアーに参加するアーティストの一組である。)
また今年に入ってからも5月にBruceは自らのホームページにアル・ゴア元副大統領の間違った戦争に関する演説を「価値ある演説」として全文掲載紹介している。彼とは離れたところでも、先月はLinda Ronstadtがラスベガスでのコンサートのアンコールで"Desparade"という名曲を(「華氏9/11」監督の)マイケル・ムーアに捧げると紹介して、保守的な賭博客のブーイング、乱闘を引き起こしている。(ちなみに彼女のこの姿勢は最近一貫していたようで、その数日前にサンディエゴで行われたコンサートでも同様の発言をしてたらしい。うーん、どんな観客の反応だったんだろう。観に行けば良かった)
というわけで、アメリカでは芸能人やミュージシャンでも結構政治や政党に関する発言はよく耳にする。日本だと、環境保護とか、多少政治がらみのニュアンスの声明はあっても、現政権を支持するかなんて直接的な話はまず無いですからね。芸術と政治を分けるという意味ではそっちのほうがいい気がするんだけど、それだけ今のブッシュ政権を憂わざるを得ない状況ということもあるんだろう。
で、ここではようは何が言いたいのかというと・・・ Bruce Springsttenのコンサート観に行きたい!
テキサスが何を言っても無駄な共和党支持州であるようにカリフォリニアもまず間違いなく民主党支持州だがら、こうした所には今回のツアーは来ないんだよねぇ・・・ でも、将来、帰国してから次のツアーを観に再渡米する手間と金を考えたら、今回のチャンスに東海岸でもどこでも行ってしまうか? 悩みどころなのでした・・・
おまけ: 揚げ足とりのようなもんだけど今日のブッシュ大統領のスピーチ。あちこちでネタになっている。(太字は勝手に強調)
"Our enemies are innovative and resourceful, and so are we. They never stop thinking about new ways to harm our country and our people, and neither do we."
- George W. Bush (AT THE SIGNING OF H.R. 4613, THE DEFENSE APPROPRIATIONS ACT FOR FISCAL YEAR 2005)
「テロリストはどうやってこの国を攻撃できるか考えることを止めない。
私たちも」ってことになるんで、なんだブッシュはアメリカを攻撃したいのかって、
Washinton Postや
CNN、Micheal Mooreの
ホームページで突っ込まれまくってます。
しかし、ホワイトハウスの公式サイトでも
未だに訂正無しで載っているところを見ると、本気??
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