昨日はブッシュ大統領の2期目就任最初の一般教書演説があった。昨晩はTV各局が生中継し、今朝のニュースもメインの話題の一つであった。既に日本でも報道されているのでおおよその内容はご存知の方も多いと思うが、前半にかなりの時間を割いて内政問題とくに社会保障、年金政策を熱心に語っていた。後半は外交でイラクの今後が中心。ただ、今後の新たな展開をにおわすような発言はほとんどなかったといっていいだろう。
TVを観ていて思ったこと。私は政治や経済のことはてんで詳しくないので解説出来るようなことはほとんどないが、見ていて非常に印象に残ったのは前半と後半のブッシュの表情の違い。
アメリカの年金政策は日本人にとっては、ほとんど関係ないので無関心な人も多いと思うが、今共和党政権がやろうとしてるのは、このままでは将来年金が破綻するので、積立の資産運用、民営化をすすめよう的な動きになっているってな感じだと思う。これはかなり賛否両論あるようなのだが、演説では当然「我々の子供達の将来を本気で考えてるんだ」みたいな美辞麗句が並ぶわけである。で、この一般教書演説では、いちいち大統領が一言しめる度に、拍手しかもスタンディング・オベーションが国会議事堂に巻き起こり、そのたびに喋りが中断されるわけである。(個人的にはこれがかなりうっとうしいし、ちゃっちゃとやれば15分で終わる内容の演説が1時間弱続く) で、その時に拍手に答えながら時々ブッシュが側近や誰かに向かって「これでいいだろ?」って感じで見せる表情ははっきりいってかなり気持ち悪かった。なんかね、おやじのスケベ心がそのまま出てきたような顔つきなんですよ。とても超大国の大統領の顔とは思えん。
ところが後半、外交とアメリカの治安確保の話になると、これがうって変わって、しまった顔になった。もちろん戦争や治安の話となれば自然と神妙な顔つきになるもんだが、それ以上に9.11以降これが自分のメインの仕事だって感覚をブッシュ自身がもってるんじゃないかなっていう気がした。アメリカからは外国人の立場としては、その気持ちで余計なことまではじめないでくれよっていう不安のが強いんだが、先日のイラク選挙が予想外に上手く進んでいることもあり、ブッシュとしては、きっちり着陸させるまで責任を取る気がかなり強いようだ。
ニュースなどでは、前半の社会保障問題に予想以上に力点が置かれていたことと、外交政策に関して特に目新しい発表がなかったことから、今後は内政問題の比重が上がってくるかみたいな見解も多いようだが、大統領の表情は、依然イラクとテロが一番メインにあるという意思を物語ってたような印象を個人的には強く持った。それが良いことなのかどうなのかはわかんないけど。
個人的には、テロや戦争に関しては何事も起きずこの4年が過ぎてくれないからと祈るのみだが、こんなものでも買って静かに見守っていますか?
Recent Comments