三十路過ぎのロック談義 -My favorite albums -

Xmas playlist - あのSpringsteenの名曲もiTMSで復活!

2004年12月15日（水）

　米国時間で毎週火曜日に更新される新曲だが、昨日づけで、なんとBruce Springsteen &  the E street bandの演奏する"Santa Claus Is Comin' to Town"がiTunes Music Storeでも発売になってた！

　この曲は大ヒットアルバム「Born In the USA」 からのシングルカット"My Home Town"のレコード（CDじゃないよ）B面に当時収録されていた曲で、その後、日本ではCBSコロンビアからは正式にCDリリースされてなかった気がす る。アナログ盤発表当初に私はレンタルレコード屋で借りてきてカセットテープに録音していたのだが、その後CD音源が欲しくて、何年も探し回った結果、 どっかの2流レコード会社が適当にいろんなアーティストの曲を集めて作ったコンピレーションCDをやっと見つけたのを覚えている。その音源は今でも持って るが、CBSコロンビアからの正式盤でなかったせいか、いまいち音がしょぼい。なので、今回のiTMSでのリリースはうれしい限り。視聴できるみなさんは 是非聞いてみてね。ちなみに、このシングルは米国ではCDシングルとして再発されており、日本でも米Amazon.com経由で輸入買い出来ます（残念ながらAmazon.co.jpでは扱ってないようなので輸入手数料が余計にかかりますが）ので、日本でiTMSが使えない方はそちらもご参考。

　iTMSでも、この時期クリスマスなどのHoliday songを多数扱っており、今年から「A Very Special Christmas 」シリーズも全てダウンロード可能になっている。英国のアカウントだとBand Aidのオリジナルや今年の再結成版もダウンロードできるらしいのだが、米国サイトにはまだ置いてなくて、英国の住所のアカウントを持っている人しか買え ないのがちょっとつらいとこ。ちなみに米国のダウンロードランキングを見ると一般のランキングで4位にMariah Careyの”All I Want for Christmas Is You”がはいっていて日本にも劣らず相変わらずの人気。個人的にはいいかげん耳タコなんだが・・・

で、クリスマスということで私のお気に入りプレイリスト紹介

・Please Come Home for Christmas / Eagles (Walmartで視聴)
なんとなく夏と太陽が似合うイーグルスだが、これは切ないクリスマス・ナンバー。彼らのオリジナルではないが、この曲をレコーディングしてるアーティストの中でも一番良い出来だと思う。

・Santa Claus Is Comin' to Town / Bruce Springsteen & The E Street Band
上述。彼がレコーディングしてるXmasナンバーは他に"Merry Christmas Baby"もあるが、クリスマスらしさで言えばこれが一番。ライブ・レコーディングで楽しげな雰囲気がそのまま伝わってくる。

・I Saw Mommy Kissing' Santa Claus / John Mellencamp (Walmartで視聴)
代表的なスタンダードナンバーをカントリーロック調にアレンジして歌っている。

・Happy Christmas (War Is Over) / John Lennon
ジョン・レノンのオリジナルにして大ヒット曲。平和な時分には気づかなかったが、イラク戦争も終わらずなんとなく息苦しさを感じるアメリカを体感してみると、彼のシンプルだが堂々とした反戦主張というのはあらためてすごいことだったんだなと感じる。

・Chistmas (Baby, Please Come Home) / U2 (Walmartで視聴)
上述のJohn Mellencampの曲と合わせて、「A Very Special Christmas Vol.1 」に収録されているもの。

・Christmas Is the Time To Say "I Love You" / Billy Squire
これはものすごく好きなクリスマスのパーティソングなのだが、今から欲しい人にはかなり入手が大変なアイテムかも。オリジナル・レコードはほとんど廃盤だと思う。比較的入手出来そうな音源はクリスマス向けコンピレーションアルバムのこれくらいか？

・Fairytale of New York / The Pogues
アイリッシュの酔いどれバンド、ポーグスがKirsty MacCollとデュエットした名曲。日本ではあまりメジャーでないかもしれないが、イギリスで最近VH1が調査したクリスマス・ソング・ベスト１０で、ワム!やバンドエイドを退け堂々の一位に輝いている。

・The Christmas Song / Gilbert O'sullivan
彼のオリジナル作だと思うが、非常にシンプルできれいな歌。クリスマスらしいメロディにのせて、「ホワイト・クリスマスなんていらない。ただ、世界中が平和で健やかであって欲しいだけなんだ」と歌われている。

・Do They Know It's Christmas? / Band Aid
20年前、バングラディｯシュの飢餓難民救済を目的 に、ボブ・ゲルドフの呼びかけのもと、当時のイギリス中の有名ミュージシャンが集ったチャリティソング。今年 Band Aid 20 として新しい顔ぶれで再レコーディングされたが、やっぱ元祖が一番。ちなみに再結成ソングはイギリスで大ヒットとなっているようだが、ここアメリカではほ とんど耳にしない・・・。アメリカは「オラが国が一番」の国なので、イギリスの音楽情報は日本のほうがよっぽど豊富に入ってる気がします。

・Rockin' Around the Christmas Tree / Mary J. Blige & Sheryl Crow (Walmartで視聴)
「A Very Special Christmas Live 」に収録されているパーティ・ナンバー。曲も最高だが、メアリーJとシェリル・クロウというジャンルを超えた競演がすごい。

・The Christmas Song / Nat King Cole (Walmartで視聴)
定番のスタンダードソングはやはりナット・”キング”・コールが歌うこのバージョンが一番。やはりシメにふさわしい名唱かと。

その他、巷にあふれるクリスマス・アルバムだが、アルバムとして好きなのはやはり、カーペンターズの「Christmas Portrait」とか、エラ・フィッツジェラルドの「Ella Wishes You a Swinging Christmas」あたり。

洋楽ばかりの紹介になっているが、邦楽のクリスマスソングでいえば、一部で伝説化している桑田佳祐と松任谷由美の合作による幻の名曲、「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)」 はいつかCD化されることはないのでしょうか？86,87年のTV特番で歌われた他は、桑田自身ソロの吹き込みによるデモ・レコードをFMラジオで昔聞い たことがあるのだが、非常に良い曲だっただけにオールスター・レコーディングで是非また聴いてみたいのだけどね・・・　（非常に入手困難な曲ですが、イン ストのメロディだけでも聴いてみたいという人はビクターの着メロ配信サービスで視聴・購入が可能です。ただし、桑田らの録音ではなく、メロディをインストでなぞったものなので注。視聴リンクはこちら）

ちなみにこれは紹介していいのか迷いましたが、（まあうちみたいな弱小ブログとは比較にならない大手Boing Boingで紹介されているので）ビートルズのクリスマスがらみ情報。とりあえずリンクだけ。こんなのもありました。

今月の5曲（2004年12月）

*「30秒サンプル」の視聴にはWindows Media Playerが必要です。また「PV視聴」にはYahoo ID(登録無料)が必要になるものがあります。

・Daughters / John Mayer
       Wal-mart music download から    Yahoo! Launchから
　若手ギタリストとして高く評価されているJohn Mayerの「Heavier Thing」からアコースティック・ギター弾き語りによるバラード・シングル。この人については個人的には線の細い声があまり好きではなかったんだけど、ブルース＆ロック色が強い曲よりもこういったバラードの方が自然に聴ける声でいい気がします。ギタープレイはへビィな曲でもいいんだけどね。

・Sunday Morning / Maroon 5
       Wal-mart music download から    Yahoo! Launchから
　もうどうにも止まらない勢いで売れまくってるMaroon 5の「Songs About Jane」からの第4弾（5弾かな？よく知らん）シングル。落ち着きのあるミディアム・テンポの曲だが、PVではアビィ・ロード・スタジオでの録音の風景が流れたり、それをカラオケ・パーティ（アメリカではまだ珍しいんじゃないか？）の風景にミックスさせるなど、なかなか味わい深い。

・World on Fire / Sarah McLachlan
       Wal-mart music download から    Yahoo! Launchから
　これもFallenが大ヒットした「Aftergrow」からの後発シングル。PVでは、質素な演奏風景で、このPV作成で倹約したお金でどれだけ多くの途上国の飢えを救えるかと言うような問題提起をしている。ただ、無邪気な子供に南北問題を伝えるというスタンスならこれは評価できるのだが、アーティストの社会問題提起としてこれがどれだけ意味があるのか正直疑問を感じてしまう。寄付などのボランティア行為は有意義なものだと思うが、経済格差の問題は、先進国が倹約すれば途上国が救われるというような単純なものではないだろう。なんとなく偽善と映ってしまってもしょうがないPVである。もっともアメリカ人はそもそも国外で何が起きてるのかの関心そのものが低すぎるので、この程度の内容でも無知なアメリカ人向けには意味があるかもしれないが。

・Lady / Lenny Kravitz
       Wal-mart music download から    Yahoo! Launchから
　日本でも人気の高いLenny Kravitzの「Baptism」からの後発シングル。アメリカではシングルカット以前にGAPのCMでドラマ「セックス＆シティ」のSarah Jessica Parkerと共演してた時のBGMのイメージが強いのですが、これって日本でも同じCMはつかわれてたんでしょうか？ちなみにPVは意味ないモデル達のセクシー・ダンスでかなり評判悪いです。

・Breakaway / Kelly Clarkson
       Wal-mart music download から    Yahoo! Launchから
　アメリカでいま人気のオーディション番組「American Idol」(日本で例えるとモー娘。を生み出した「アサヤン」みたいな番組)出身のKellyがはなったスマッシュ・ヒット。映画「プリティ・プリンセス２」の挿入歌としても使われた。本人としてはこれをきっかけに「American Idol」のイメージからさらに脱皮したいところだろう。

Joshua Tree / U2

Joshua Tree / U2
　歴史的名盤である。
　80年代から2000年代に至るまで、自分たちのスタイルに新しさを加え進化しながらも、常に圧倒的な支持を集めているU2の80年代の集大成アルバム。パンクに影響を受けながらも社会的なアプローチを前面に出し、スタートした彼らの音楽がアメリカ南部のロックのルーツを探る最初の頂点に達した作品である。
　アイルランド出身の彼らはデビュー当時から、社会的メッセージの強い楽曲でポスト・パンク世代にアピールしてきたが、音楽的スタイルはスタンダードなアメリカン・ロックバンド・スタイルを踏襲していた。エッジのギターを中心にした彼らの独自性を保ちながら、その音楽的なスタイルのルーツにとことんこだわって完成したのがこの1枚。(3)を初めとするシングルカット曲が次々と大当たりし、アメリカを中心に世界的な大ヒットとなった。
　とにかく何も言わずに聴けという感じ。このアルバムの付属的な形で次に発表された「魂の叫び」の後、90年代になると彼らはダンス・グルーブの融合など、その音楽的スタイルを変化させ世間をあっと言わせるが、本質的な部分は今日に至るまで変わっていないし、その本質を体現することに最も成功したのがこの1枚と言えるだろう。
　おすすめは強力ヒット・シングル(1),(2),(3)をはじめとして、(4),(6),(7)など。

(1) Where The Streets Have No Name
(2) I Still Haven't Found What I'm Looking For
(3) With Or Without You
(4) Bullet The Blue Sky
(5) Running To Stand Still
(6) Red Hill Mining Town
(7) In God's Country
(8) Trip Through Your Wire
(9) One Tree Hill
(10) Exit
(11) Mothers Of The Disappeared
（各曲のタイトルをクリックするとWalmart - Music Downloadが提供する30秒試聴のリンクに飛びます。試聴にはWindow Media Playerなどwmaファイル再生用のプレーヤーがインストールされている必要があります）

オリジナル 1987年

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Born To Run / Bruce Springsteen

Born to Run （邦題：明日なき暴走）
　歴史的名盤である。
　個人的には、「無人島にレコード1枚だけ持っていくなら？」という問いに対して、真っ先にあがる候補の1枚。
　Bruce Springsteenという人は、特に80年代のイメージでアメリカにおけるロックのボス的存在に語られることが多いのだが、彼の曲の魅力はむしろ、初期からこのアルバムにかけてによるところが大きい。もともとライブで評判を築き上げたタイプのミュージシャンなのだが、1,2枚目のアルバムではむしろポスト・Bob Dylan的に語られることが多く、フォーク歌手に近い印象があった。彼とバックのE Street Bandが、本来のライブの醍醐味の雰囲気ををアルバムに持ち込むことに成功したこの3枚目にあたるアルバムで彼は一気にメジャー街道へと駆け上がり、米国の2大週刊紙"Time"と”Newsweek”の表紙を同時に飾る時代の人となった。そんなブレイクのきっかけとなった作品。
　この作品は、全ての収録曲が輝いていると同時にアルバムとしての流れも非常によく構成されている。まだCDがなかった時代にLPレコードで発表されたものなので(1)-(4)曲目までがA面、(5)-(8)曲目までをB面として区切って聴くと、よりその構成の良さが際立つだろう。また1曲1曲が歌詞の展開とあわせて曲調もドラマティックに展開していく。これ以降のSpringsteenの曲はだんだんと、良く言えばよりシンプルに、悪く言えば単調化していくのだが、やはりライブでコアなファンが盛り上がるのはこの作品までの収録曲だろう。バックのE Street Band(特にサックスとキーボード)の存在感も際立っていてる。全体の流れのまま聴いて欲しいアルバムだが、敢えておすすめをあげるならば、代表曲の(1),(5)と、(4),(8)。

(1) Thunder Road
(2) Tenth Avenue Freeze-Out
(3) Night
(4) Backstreet
(5) Born to Run
(6) She's The One
(7) Meeting Across The River
(8) Jungleland
（各曲のタイトルをクリックするとWalmart - Music Downloadが提供する30秒試聴のリンクに飛びます。試聴にはWindow Media Playerなどwmaファイル再生用のプレーヤーがインストールされている必要があります）

オリジナル 1975年

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