Shake Your Money Maker
/ Black Crowes
快作である。
Nirvana等のグランジ・ロックが台頭し、ブラック・ミュージックのマーケットも拡大と多様化する90年代初頭の音楽界にあって、突如、時代を無視したかのようなストレートなロックンロールでデビューしたのがBlack Crowesの本作である。Allman BrothersやLeon Russelなどを彷彿とさせるアメリカ南部のサザン・ロックと、FacesやRolling Stonesに代表される軽快なロックンロールが、そのまま90年代に突如出現した。”時代もくそもあるか、いいものはいいんだ!”というまんまの姿勢である。とにかくいきがいい。気持ちよい。このアルバムを出したデフ・アメリカンというレーベルは当時、インディースあがりながら、これ以降、骨太なロック・アルバムを次々と世に出してくれた。
この作品で高評価を得て大ブレイクしたバンドは、その後、アルバム毎により深いサザンロックへと深化を重ねていくことになる。以降の作品の方がより通好みで評価が高かったりもするのだが、個人的にはどんどんドラッグ臭が強くなっていくような気だるさが、いささか鼻につき、むしろ青臭さを残すものの、いらんこと考えずに素直に好きな音楽を表現したようなこのデビュー作が未だに一番お気に入りだったりする。
全曲素晴らしい出来だが、まず聞きはじめには、ヒットシングルの(2)、オーティス・レディングのカバーで曲の再評価にも大きく寄与した(6)、ミディアム・バラードの(3)あたりか。
(1) Twice As Hard
(2) Jealous Again
(3) Sister Luck
(4) Could I've Been So Blind
(5) Seeing Thing
(6) Hard to Handle
(7) Thick N' Thin
(8) She Talks to Angels
(9) Struttin' Blues
(10) Stare It Cold
(各曲のタイトルをクリックするとWalmart - Music Downloadが提供する30秒試聴のリンクに飛びます。試聴にはWindow Media Playerなどwmaファイル再生用のプレーヤーがインストールされている必要があります)
<オリジナル 1990年>
このアルバムが気に入った人には
・Southern Harmony & Musical Companion / The Black Crowes
・A Nod is As Good As a Wink... / Faces
Recent Comments